2010 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選


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2010 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ地区予選は、2008年から行われたヨーロッパ地域の2010 FIFAワールドカップ・予選である。本大会出場枠13であり、欧州サッカー連盟加盟国・地域全53チームが9組に分かれ、ホーム・アンド・アウェー方式で行われた。

グループ4、ロシアドイツ
(2009年10月10日)
グループ7、セルビアフランス
(2009年9月9日)

予選は、6チーム所属の8グループと5チーム所属の1グループの全9グループに分かれて行われる。予選のチーム分けはFIFAランキングに基づいて決定される。組み合わせ抽選は、2007年11月25日に行われた。

予選ラウンド
参加53チームを9グループに分けてホーム・アンド・アウェー方式で行う。各グループ首位の9チームが本大会出場権を獲得する。また各グループ2位のうち成績上位8チームがプレーオフに進出する。ただし、6チームが属する8つのグループは、グループ予選終了時の最下位チームとの対戦成績が加味されず、再計算によって成績が決められる。
欧州プレーオフ
予選ラウンド各グループ2位中成績上位8チームがホーム・アンド・アウェー方式で行う。勝者4チームが残り4つの本大会出場権を獲得する。
勝点 試合数 引分 得失点差
  デンマーク 21 10 6 3 1 16 5 11
  ポルトガル 19 10 5 4 1 17 5 12
  スウェーデン 18 10 5 3 2 13 5 8
  ハンガリー 16 10 5 1 4 10 8 2
  アルバニア 7 10 1 4 5 6 13 -7
  マルタ 1 10 0 1 9 0 26 -26































勝点 試合数 引分 得失点差
  スイス 21 10 6 3 1 18 8 10
  ギリシャ 20 10 6 2 2 20 10 10
  ラトビア 17 10 5 2 3 18 15 3
  イスラエル 16 10 4 4 2 20 10 10
  ルクセンブルク 5 10 1 2 7 4 25 -21
  モルドバ 3 10 0 3 7 6 18 -12































勝点 試合数 引分 得失点差
  スロバキア 22 10 7 1 2 22 10 12
  スロベニア 20 10 6 2 2 18 4 14
  チェコ 16 10 4 4 2 17 6 11
  北アイルランド 15 10 4 3 3 13 9 4
  ポーランド 11 10 3 2 5 19 14 5
  サンマリノ 0 10 0 0 10 1 47 -46































勝点 試合数 引分 得失点差
  ドイツ 26 10 8 2 0 26 5 21
  ロシア 22 10 7 1 2 19 6 13
  フィンランド 18 10 5 3 2 14 14 0
  ウェールズ 12 10 4 0 6 9 12 -3
  アゼルバイジャン 5 10 1 2 7 4 14 -10
  リヒテンシュタイン 2 10 0 2 8 2 23 -21































勝点 試合数 引分 得失点差
  スペイン 30 10 10 0 0 28 5 23
  ボスニア・ヘルツェゴビナ 19 10 6 1 3 25 13 12
  トルコ 15 10 4 3 3 13 10 3
  ベルギー 10 10 3 1 6 13 20 -7
  エストニア 8 10 2 2 6 9 24 -15
  アルメニア 4 10 1 1 8 6 22 -16































勝点 試合数 引分 得失点差
  イングランド 27 10 9 0 1 34 6 28
  ウクライナ 21 10 6 3 1 21 6 15
  クロアチア 20 10 6 2 2 19 13 6
  ベラルーシ 13 10 4 1 5 19 14 5
  カザフスタン 6 10 2 0 8 11 29 -18
  アンドラ 0 10 0 0 10 3 39 -36































勝点 試合数 引分 得失点差
  セルビア 22 10 7 1 2 22 8 14
  フランス 21 10 6 3 1 18 9 9
  オーストリア 14 10 4 2 4 14 15 -1
  リトアニア 12 10 4 0 6 10 11 -1
  ルーマニア 12 10 3 3 4 12 18 -6
  フェロー諸島 4 10 1 1 8 5 20 -15































勝点 試合数 引分 得失点差
  イタリア 24 10 7 3 0 18 7 11
  アイルランド 18 10 4 6 0 12 8 4
  ブルガリア 14 10 3 5 2 17 13 4
  キプロス 9 10 2 3 5 14 16 -2
  モンテネグロ 9 10 1 6 3 9 14 -5
  グルジア 3 10 0 3 7 7 19 -12































勝点 試合数 引分 得失点差
  オランダ 24 8 8 0 0 17 2 15
  ノルウェー 10 8 2 4 2 9 7 2
  スコットランド 10 8 3 1 4 6 11 -5
  北マケドニア 7 8 2 1 5 5 11 -6
  アイスランド 5 8 1 2 5 7 13 -6





















  • 各グループ2位のうち成績上位8チームがプレーオフに進出する。ただし、6チームが属する8つのグループは、グループ予選終了時の最下位チームとの対戦成績が加味されず、再計算によって成績が決められる。
勝点 試合数 引分 得失点差
4   ロシア 16 8 5 1 2 15 6 9
2   ギリシャ 16 8 5 1 2 16 9 7
6   ウクライナ 15 8 4 3 1 10 6 4
7   フランス 15 8 4 3 1 12 9 3
3   スロベニア 14 8 4 2 2 10 4 6
5   ボスニア・ヘルツェゴビナ 13 8 4 1 3 19 12 7
1   ポルトガル 13 8 3 4 1 9 5 4
8   アイルランド 12 8 2 6 0 8 6 2
9   ノルウェー 10 8 2 4 2 9 7 2

組み合わせ抽選は2009年10月19日に行われた。
抽選方法は以下の通り。2009年10月16日時点のFIFAランキングを基に8ヶ国の順位付けをし、上位4ヶ国をポット1、下位4ヶ国をポット2に入れ、ポット1、2より各国の名前が入っているボールを1つずつ選び、中央のポットに入れる。中央のポットに入れられた2つのボールが対戦国同士となり、その後中央のポットより1つずつ取り出し、先に選ばれた国を第1戦のホームチームとして試合を行なう。

  • ポット1 … フランス(9位)、ポルトガル(10位)、ロシア(12位)、ギリシャ(16位)
  • ポット2 … ウクライナ(22位)、アイルランド(34位)、ボスニア・ヘルツェゴビナ(42位)、スロベニア(49位)












アウェーゴールの数が多いスロベニアがW杯出場を決めた。

2009年11月18日、フランス・パリ郊外のサン=ドニスタッド・ド・フランス)で行われたフランス対アイルランドのプレーオフ第2戦にて、延長戦でのフランスが同点ゴールの際、ボールがネットに入る前にティエリ・アンリの左手に当たっていたとして、アイルランドの選手が抗議をしたが、主審の判定は覆ることはなく、フランス側の得点が認められた。しかし試合後、アンリがインタビューにて、プレー中に手がボールに触れていたことを認めている[1]

これに対しアイルランドサッカー協会(FAI)は、国際サッカー連盟(FIFA)に対し再試合を要求[2]、同国の首相のブライアン・カウエンが全面的な支持を表明した。

尚、FIFAは「ルールは審判の決定が最終的なものと明記している」として、再試合の実施は不可能との声明を発表。またフランス政府関係者は「アイルランド政府はサッカー界に干渉すべきではない」と政治問題化することをけん制、アイルランドのジョバンニ・トラパットーニ監督は、ビデオ判定導入など誤審防止検討の必要性を訴えた[3]

これまでの騒動を受けアンリはインタビューに答え、「あの時、手は無意識に動いた」とわざとではないことを告げた上、「一番フェアな解決方法は再試合を行うことだろうが、残念ながらこれは僕が決められることではない。アイルランドの選手には本当にすまないと思っている。」と、アイルランド側に謝罪した[4]

このインタビューを受けアイルランド協会側は、FIFAに再び再試合を上訴した。尚フランス協会側は、「すでに申し出については回答されており、両国はこれを受け入れなければならない。」と声明を出した[5]。FIFAも再度の再試合要求を却下した[6]

この事態により、納得のいかないアイルランドサポーター200人が、11月20日21日にフランス大使館前で抗議活動を行う事態にまで発展[7] FIFAはこの問題やエジプトアルジェリアの問題、サッカーギャンブル界の不正問題を含めた形で、組み合わせ抽選会の前に特別会議を招集した[8]。特別会議に出席したアイルランド側は「33番目の『特別枠』で出場」を要請し、12月2日の臨時理事会で検討されたが[9]、「不可能な話であり、これを認めれば『他の国はだめなのか』という話になる。」とし、アイルランドの出場の望みは絶たれた[10]

アイルランドの出場要請は非公式な場で打診されたものであり、にもかかわらずFIFA会長のゼップ・ブラッターがこれを公表したことに対し、FAI関係者は怒りと失望をあらわにし、後にブラッター自身が軽率な発言であったことをFAIに謝罪している[11]

ただし、先のアイルランド戦での問題が問題視され、フランスはワールドカップ抽選会のシードから外された[12](この記事には誤りがあり、FIFAランキング9位のフランスには元々シードに入る資格はない。なお抽選の結果、実質シードチームのいないAグループに入ることとなった)。

その後フランスは本大会に出場したが、6月17日のフランス対メキシコ戦の前に、スタンドのファンがアイルランドの国旗を持って、「アイルランドvsメキシコ」と掲げた写真が、アイルランド国内で大きく取り上げられた。その後フランスは1次リーグで敗退。これに対し「絶対にアンリのハンドを忘れない。南アフリカにはアイルランドが行くべきだった。」と、アイルランド側がフランスが敗退したことを喜んだ。[13]

  1. ^ 仏・アンリ“神の手”アシスト!/W杯予選”. サンケイスポーツ. 産経新聞社 (2009年11月20日付). 2009年11月20日閲覧。
  2. ^ アイルランド協会、FIFAにW杯プレーオフやり直しを申請”. スポーツナビ. MARCA.COM (2009年11月20日付). 2009年11月20日閲覧。
  3. ^ FIFA、再試合を否定=アンリのハンド問題-W杯サッカー予選”. 時事通信 (2009年11月20日付). 2009年11月20日閲覧。
  4. ^ アンリ「一番フェアな解決方法は再試合。アイルランドの選手には本当にすまない」”. スポーツナビ (2009年11月21日付). 2009年11月21日閲覧。
  5. ^ アイルランド協会、再度FIFAにプレーオフやり直しを上訴”. スポーツナビ (2009年11月21日付). 2009年11月21日閲覧。
  6. ^ FIFA、アイルランドの再試合要求を却下 「神の手」抗議実らず”. AFP (2009年11月20日). 2011年1月31日閲覧。
  7. ^ http://sports.jp.msn.com/article/article.aspx/articleid=478250/”. インターナショナルスポーツマーケティング(mnsニュース) (2009年11月22日付). 2009年11月22日閲覧。
  8. ^ FIFAブラッター会長が臨時理事会招集 アンリの「ハンド」問題など討議”. スポーツナビ (2009年11月24日). 2009年11月25日閲覧。
  9. ^ サッカー、33枠目での出場要請 W杯落選のアイルランド”. 共同通信社(47ニュース) (2009年11月30日付). 2009年12月1日閲覧。
  10. ^ FIFA事務局長「アイルランドが2010年のW杯に出場することはない」”. スポーツナビ (2009年12月2日付). 2009年12月2日閲覧。
  11. ^ ブラッター会長がアイルランドに謝罪、アンリ問題は規律委員会に”. AFPBB News (2009年12月3日付). 2009年12月3日閲覧。
  12. ^ フランス、シード外れ「死の組」入り確定 - 2010年南アフリカW杯ニュース : nikkansports.com”. 日刊スポーツ (2009年12月3日付). 2009年12月7日閲覧。
  13. ^ 「フランスの敗退、喜ばしい」誤審で出場逃したアイルランドでは祝杯”. 産経新聞 (2010年6月23日付). 2010年6月23日閲覧。