アジア系アメリカ人


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アジア系アメリカ人(アジアけいアメリカじん、英語: Asian American)は、アメリカ合衆国の市民のうち、アジアにルーツを持つ人々のこと。

アジア系アメリカ人
Asian American
アメリカ合衆国の旗
タイ系アメリカ人日系アメリカ人ベトナム系アメリカ人フィリピン系アメリカ人
日系アメリカ人インド系アメリカ人台湾系アメリカ人Elaine Chao
韓国系アメリカ人日系アメリカ人台湾系アメリカ人中国系アメリカ人
総人口
2240万8464人
合衆国総人口の約6.9%(2017年)[1]
言語
主にアメリカ英語
宗教
キリスト教仏教 ヒンドゥー教 イスラム教 その他の東アジアの宗教、 その他のインドの宗教、 その他の宗教

アメリカ国籍を有するアジア系の人間を指す。最も多いのは2019年時点で中国系となっており、アジア系の23%を占める。以下インド系フィリピン系ベトナム系韓国系日系と続く[2]

太平洋諸島に起源を持つ人々と合わせて、アジア・太平洋諸島系アメリカ人(Asian/Pacific American (APA) またはAsian/Pacific Islander (API) または Asian Americans and Pacific Islanders (AAPI))という呼び方もある。

アジア系アメリカ人は民族のグループごとの異なった歴史がある。

最も古いアジア系の移民はフィリピン系でありアメリカ独立以前の16世紀に当時の宗主国であるスペインの船でやってきた[3]

19世紀には中国人移民が急増し、アメリカ政府は1882年中国人排斥法を成立させた。その後、日本からの移民が増えることで、1913年カリフォルニア州で日系移民の土地利用を制限する排日土地法(外国人土地法)が成立した。さらにその後、1924年に日本人移民を制限する排日移民法が成立し、日米関係は悪化した。

1939年第二次世界大戦が勃発すると、中国は同盟国であったために中国人排斥法が撤廃される一方で、1942年日系人の強制収容が始まった。1945年に第二次世界大戦が終結しても収容は解かれず、1946年に強制収容が解かれた。1952年移民国籍法が成立した。

1960年代黒人らの公民権運動ブラック・パワー運動に刺激されて、アジア系アメリカ人の市民権拡大運動(イエローパワー運動)が起こった[4]。しかし、ベトナム戦争の終了とともに多くの運動は解散した。

1982年、日米貿易摩擦の渦中でビンセント・チンが殺害される事件が起こり、これがアジア系アメリカ人の権利向上のきっかけとなった[5]

2020年新型コロナウイルスの感染拡大を契機に中国系アメリカ人へのヘイトクライムの被害が相次ぐ[6]。なお、新型コロナウィルス感染拡大をきっかけにしたヘイトクライムは、白人が加害者になるケースだけでなく黒人が加害者になるケースも多く目立った[7]

2014年3月カリフォルニア州上院議員であるリーランド・イーチャイナタウンマフィアらと共謀し、銃器密売や恐喝、贈賄を行なったとして連邦捜査局に逮捕された。

アジア系アメリカ人は出自別では全米で最も経済的に成功している。2012年3月に発表された米国雇用機会均等委員会の調査によると、世帯毎の平均年収はアジア系が53,401ドル、白人が50,349ドル、ヒスパニックが49,873ドル、黒人が44,333ドルとなっており、アジア系が首位を確保している[8]

アジア系アメリカ人の社会的地位は、一般的にはアフリカ系アメリカ人より高く、ヨーロッパ系アメリカ人英語版よりは低い、中流の立ち位置とされている[9]。アジア系アメリカ人はモデル・マイノリティ英語版として白人至上主義的なアメリカ社会で一定の恩恵を受けてきたと見なされる場合もあり、非白人でありながら他のマイノリティとの関係性は必ずしも良好ではない[9]