プラセオジム


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プラセオジム: praseodymium [ˌpreɪzi.ɵˈdɪmiəm, ˌpreɪsi.ɵ-])は原子番号59の元素元素記号Pr希土類元素の一つ(ランタノイドにも属す)。

セリウム プラセオジム ネオジム
-

Pr

Pa

Element 1: 水素 (H),

Element 2: ヘリウム (He),

Element 3: リチウム (Li),

Element 4: ベリリウム (Be),

Element 5: ホウ素 (B),

Element 6: 炭素 (C),

Element 7: 窒素 (N),

Element 8: 酸素 (O),

Element 9: フッ素 (F),

Element 10: ネオン (Ne),

Element 11: ナトリウム (Na),

Element 12: マグネシウム (Mg),

Element 13: アルミニウム (Al),

Element 14: ケイ素 (Si),

Element 15: リン (P),

Element 16: 硫黄 (S),

Element 17: 塩素 (Cl),

Element 18: アルゴン (Ar),

Element 19: カリウム (K),

Element 20: カルシウム (Ca),

Element 21: スカンジウム (Sc),

Element 22: チタン (Ti),

Element 23: バナジウム (V),

Element 24: クロム (Cr),

Element 25: マンガン (Mn),

Element 26: 鉄 (Fe),

Element 27: コバルト (Co),

Element 28: ニッケル (Ni),

Element 29: 銅 (Cu),

Element 30: 亜鉛 (Zn),

Element 31: ガリウム (Ga),

Element 32: ゲルマニウム (Ge),

Element 33: ヒ素 (As),

Element 34: セレン (Se),

Element 35: 臭素 (Br),

Element 36: クリプトン (Kr),

Element 37: ルビジウム (Rb),

Element 38: ストロンチウム (Sr),

Element 39: イットリウム (Y),

Element 40: ジルコニウム (Zr),

Element 41: ニオブ (Nb),

Element 42: モリブデン (Mo),

Element 43: テクネチウム (Tc),

Element 44: ルテニウム (Ru),

Element 45: ロジウム (Rh),

Element 46: パラジウム (Pd),

Element 47: 銀 (Ag),

Element 48: カドミウム (Cd),

Element 49: インジウム (In),

Element 50: スズ (Sn),

Element 51: アンチモン (Sb),

Element 52: テルル (Te),

Element 53: ヨウ素 (I),

Element 54: キセノン (Xe),

Element 55: セシウム (Cs),

Element 56: バリウム (Ba),

Element 57: ランタン (La),

Element 58: セリウム (Ce),

Element 59: プラセオジム (Pr),

Element 60: ネオジム (Nd),

Element 61: プロメチウム (Pm),

Element 62: サマリウム (Sm),

Element 63: ユウロピウム (Eu),

Element 64: ガドリニウム (Gd),

Element 65: テルビウム (Tb),

Element 66: ジスプロシウム (Dy),

Element 67: ホルミウム (Ho),

Element 68: エルビウム (Er),

Element 69: ツリウム (Tm),

Element 70: イッテルビウム (Yb),

Element 71: ルテチウム (Lu),

Element 72: ハフニウム (Hf),

Element 73: タンタル (Ta),

Element 74: タングステン (W),

Element 75: レニウム (Re),

Element 76: オスミウム (Os),

Element 77: イリジウム (Ir),

Element 78: 白金 (Pt),

Element 79: 金 (Au),

Element 80: 水銀 (Hg),

Element 81: タリウム (Tl),

Element 82: 鉛 (Pb),

Element 83: ビスマス (Bi),

Element 84: ポロニウム (Po),

Element 85: アスタチン (At),

Element 86: ラドン (Rn),

Element 87: フランシウム (Fr),

Element 88: ラジウム (Ra),

Element 89: アクチニウム (Ac),

Element 90: トリウム (Th),

Element 91: プロトアクチニウム (Pa),

Element 92: ウラン (U),

Element 93: ネプツニウム (Np),

Element 94: プルトニウム (Pu),

Element 95: アメリシウム (Am),

Element 96: キュリウム (Cm),

Element 97: バークリウム (Bk),

Element 98: カリホルニウム (Cf),

Element 99: アインスタイニウム (Es),

Element 100: フェルミウム (Fm),

Element 101: メンデレビウム (Md),

Element 102: ノーベリウム (No),

Element 103: ローレンシウム (Lr),

Element 104: ラザホージウム (Rf),

Element 105: ドブニウム (Db),

Element 106: シーボーギウム (Sg),

Element 107: ボーリウム (Bh),

Element 108: ハッシウム (Hs),

Element 109: マイトネリウム (Mt),

Element 110: ダームスタチウム (Ds),

Element 111: レントゲニウム (Rg),

Element 112: コペルニシウム (Cn),

Element 113: ニホニウム (Nh),

Element 114: フレロビウム (Fl),

Element 115: モスコビウム (Mc),

Element 116: リバモリウム (Lv),

Element 117: テネシン (Ts),

Element 118: オガネソン (Og),

Praseodymium has a hexagonal crystal structure

59Pr

外見
銀白色
一般特性
名称, 記号, 番号 プラセオジム, Pr, 59
分類 ランタノイド
, 周期, ブロック n/a, 6, f
原子量 140.90765
電子配置 [Xe] 4f3 6s2
電子殻 2, 8, 18, 21, 8, 2(画像
物理特性
固体
密度室温付近) 6.77 g/cm3
融点での液体密度 6.50 g/cm3
融点 1208 K, 935 °C, 1715 °F
沸点 3793 K, 3520 °C, 6368 °F
融解熱 6.89 kJ/mol
蒸発熱 331 kJ/mol
熱容量 (25 °C) 27.20 J/(mol·K)
蒸気圧
圧力 (Pa) 1 10 100 1 k 10 k 100 k
温度 (K) 1771 1973 (2227) (2571) (3054) (3779)
原子特性
酸化数 4, 3, 2(弱塩基性酸化物
電気陰性度 1.13(ポーリングの値)
イオン化エネルギー 第1: 527 kJ/mol
第2: 1020 kJ/mol
第3: 2086 kJ/mol
原子半径 182 pm
共有結合半径 203 ± 7 pm
その他
結晶構造 六方晶系
磁性 常磁性[1]
電気抵抗率 (r.t.) (α, poly)
0.700 µΩ⋅m
熱伝導率 (300 K) 12.5 W/(m⋅K)
熱膨張率 (r.t.) (α, poly) 6.7 μm/(m⋅K)
音の伝わる速さ
(微細ロッド)
(20 °C) 2280 m/s
ヤング率 (α) 37.3 GPa
剛性率 (α) 14.8 GPa
体積弾性率 (α) 28.8 GPa
ポアソン比 (α) 0.281
ビッカース硬度 400 MPa
ブリネル硬度 481 MPa
CAS登録番号 7440-10-0
主な同位体
詳細はプラセオジムの同位体を参照
同位体 NA 半減期 DM DE (MeV) DP
141Pr 100% 中性子82個で安定
142Pr syn 19.12 h β- 2.162 142Nd
ε 0.745 142Ce
143Pr syn 13.57 d β- 0.934 143Nd

ギリシャ語でニラを意味する prason と(三価のイオンが緑色を呈することから)、ジジミウム(元は、双子を意味する didymos から命名された)を合成したのが語源[2]

和名のプラセオジムとは、ドイツ語の Praseodym [prazeoˈdyːm]からきている。なお、プラセオジムと呼ばれたり記述することもあるが、これは間違った呼称である。

 
プラセオジム

銀白色の金属で、常温、常圧で安定な結晶構造は、複六方最密充填構造(ABACスタッキング)。798 °C以上で体心立方構造が安定となる。比重は6.77、融点は935 °C沸点は3020 °C (3127 °C)。

常温下の空気中で酸化され表面は黄色の酸化物で覆われる。290 °C以上で発火し Pr6O11 の組成の酸化物を生成する。展性延性があり、熱水と徐々に反応し水素および水酸化物を生成する。には易溶で淡緑色の3価の水和イオンを生成する。

 
   

加熱下で水素窒素と反応する。原子価は+3, 4価をとり、4価は固体(化合物)の場合のみ安定である。イオンの色は3価では緑色、4価では黄色。

プラセオジムは極低温下で特殊な磁気構造をとる。

Pr6O10ガラスの着色剤(黄緑色)に使われる。また黄色顔料プラセオジムイエロージルコンに4価のプラセオジムイオンが固溶したものである。

光ファイバの増幅器で、励起光の波長制御のため添加される。

コバルトとの合金はプラセオジム磁石の材料となる。また、ネオジムとの合金はジジムといい、防眩(ぼうげん)ガラス及び防塵ガラスの材料ならびに特殊合金に用いられる[3]

キュービックジルコニアベースの人造ペリドットの色を出すことや、炭素アーク灯の電極棒の芯に含まれていたりもする。

オーストリアカール・アウアー・フォン・ヴェルスバッハが、もともと一つの元素と考えられていた混合物であるジジミウム: didymiumジジム : Didym)からネオジムと共に1885年に発見[2]

2014年、三菱重工業重水素を使い、少ないエネルギーでセシウムをプラセオジムに核変換させる実験を成功させた[4]

  1. ^ M. Jackson "Magnetism of Rare Earth" The IRM quarterly col. 10, No. 3, p. 1, 2000
  2. ^ a b 桜井弘『元素111の新知識』講談社、1998年、265頁。ISBN 4-06-257192-7
  3. ^ 岩波書店 岩波科学百科 1020頁
  4. ^ 放射性廃棄物の無害化に道? 三菱重、実用研究へ”. 日本経済新聞 (2014年4月8日). 2022年6月19日閲覧。

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