2006 FIFAワールドカップ・アジア予選


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2006 FIFAワールドカップ・アジア予選は、2003年11月から2005年10月にかけて行われた、アジア地区の2006 FIFAワールドカップ・予選である。本大会出場枠は4.5。予選に参加する国および地域は、2003年10月1日時点でアジアサッカー連盟に加盟していた44チームのうち39チームである。

2006 FIFAワールドカップ・アジア予選

2002

2010

不参加チームのうち、カンボジアフィリピンブータンブルネイの4か国は参加を辞退し、ミャンマー2002年大会のアジア予選で中途棄権したペナルティにより、今大会のアジア地区予選への参加権を剥奪されていた。

FIFAワールドカップの本大会出場枠は、本大会での各大陸連盟出場国の成績によって、増減する。日韓大会で、日本はベスト16(=決勝トーナメント進出)、韓国は4位とアジア勢が本大会で好成績を残した為、前回の2.5枠から4.5枠に増加した[1]。なお、2002 FIFAワールドカップ・アジア予選の出場枠は2.5ではあるが、日本と韓国の2カ国が開催国枠で予選なしで出場していた為(つまりAFC出場枠2.5+開催国2=4.5)、見た目上は4.5枠を維持したように見えるが、厳密には2.5から4.5への増加である(前々回の1998 FIFAワールドカップ・アジア予選では3.5枠)。

ホーム・アンド・アウェー方式の全面的採用
これまでのFIFAワールドカップ・アジア予選では、集中開催方式やダブルセントラル方式で試合が行われることが少なくなかったが、今大会の予選では全試合ホーム・アンド・アウェー方式で行われた。ただし、政情不安を抱えていたイラクパレスチナについては、すべてのホームゲームを周辺の第三国で行った。
日本代表の試合経過
日本は1次予選から出場した。1次予選は全勝でグループ1位で勝ち上がり、最終予選はイランに今大会の予選唯一の敗戦を喫したものの、最終的にグループ1位で勝ち上がり、ワールドカップ本大会への出場権を獲得した。
なお、日本を含むアジア地区予選からの本大会出場4か国は、すべて2005年6月8日に本大会出場が決定し、世界の地区予選の中で一番早かった。その中でも時差の関係で試合終了時刻が一番早かった日本が、ホスト国のドイツを除き本大会出場権を獲得した最初の国となった。
その他
日本以外の本大会出場国は、イラン、サウジアラビア韓国である。アジアのサッカー強豪国が順当に本大会出場権を獲得した。
前回大会でワールドカップ本大会初出場を果たし、自国開催となった2004年AFCアジアカップでも準優勝を果たした中国は、今大会の予選でも順当に勝ち上がると見られていたが、1次予選で同じグループのクウェートに僅差で2位に終わり、早々に思わぬ予選敗退を喫した。
アジア地区プレーオフは、近年サッカー新興国として力をつけてきたバーレーンウズベキスタンとの対戦となり、バーレーンがアウェーゴールで勝利して大陸間プレーオフに進出した。アジア地区最後の出場枠をかけて、バーレーンは北中米カリブ海予選4位のトリニダード・トバゴと対戦したが敗退し、初めての本大会出場はならなかった。

予選は、3つのラウンドに分けて行われる。予選のチーム分けは2003年10月22日発表のFIFAランキングに基づいて決定され、上位25チームは1次予選からの参加、下位14チームは予備予選からの参加となる。

予備予選
今予選大会から導入された方式で、ランキング下位14チームを成績上位7チームのポットAと成績下位7チームのポットBに分類し、ポットAのチームとポットBのチームの組み合わせが無作為に決定される。そして各チームがホーム・アンド・アウェー方式で対戦する。
勝利した7チームが1次予選へ進出する。
1次予選
ランキング上位25チーム、および予備予選に勝利した7チームの合計32チームが、4チームずつ8グループに分かれてホーム・アンド・アウェー方式の総当りリーグ戦(各チーム6試合)を行う。チーム分けは、2002年大会の成績に基づいて決定される。
各グループ1位の8チームが2次予選に進出する。
2次予選(最終予選)
1次予選に勝利した8チームが、4チームずつ2グループに分かれてホーム・アンド・アウェー方式の総当りリーグ戦(各チーム6試合)を行う。チーム分けは1次予選同様、2002年大会の成績に基づいて決定された。
各グループ上位2チームの合計4チームがワールドカップ本大会出場権を獲得する。
3次予選
2次予選各グループ3位の2チームは、ホーム・アンド・アウェー方式のアジア地区プレーオフを行う。
勝利チームは大陸間プレーオフに進出する。
大陸間プレーオフ
アジア地区プレーオフの勝利チームは、北中米カリブ海予選4位のチームとホーム・アンド・アウェー方式の大陸間プレーオフを行う。
勝利チームがワールドカップ本大会出場権を獲得する。

予備予選の組み合わせ抽選は、2003年10月24日チューリッヒFIFA本部で行われた。 ランキング下位14チームがランキングに従って分けられ、各チームがホーム・アンド・アウェー方式で対戦する。勝利チームが1次予選に進出する。

第1戦ホームチーム 結果 第2戦ホームチーム 第1戦 第2戦
  トルクメニスタン 13 - 0   アフガニスタン 11 - 0 2 - 0
  チャイニーズタイペイ 6 - 1   マカオ 3 - 0 3 - 1
  バングラデシュ 0 - 4   タジキスタン 0 - 2 0 - 2
  パキスタン 0 - 6   キルギス 0 - 2 0 - 4
  モンゴル 0 - 13   モルディブ 0 - 1 0 - 12
  ネパール   グアム
  ラオス 0 - 3   スリランカ 0 - 0 0 - 3

※組み合わせ抽選後にネパールが棄権し、グアムの1次予選進出が決まっていたが、後にグアムも棄権した。このため繰り上げで1次予選に進出するチームを決定する必要が生じた。予備予選敗退国の間で成績が比較され、その結果が最も上位であったラオスが繰り上げで1次予選に進出した(勝ち点1、他は勝ち点0)。















1次予選の組み合わせ抽選は、2003年12月5日フランクフルトで行われた。 ランキング上位25チーム、および予備予選に勝利した7チームの合計32チームが、4チームずつ8グループに分かれて、ホーム・アンド・アウェー方式の総当りリーグ戦を行う。各グループ1位の8チームが2次予選に進出する。

勝点 試合数 引分 得点 失点 得失点差
  イラン 15 6 5 0 1 22 4 18
  ヨルダン 12 6 4 0 2 10 6 4
  カタール 9 6 3 0 3 16 8 8
  ラオス 0 6 0 0 6 3 33 -30








勝点 試合数 引分 得点 失点 得失点差
  ウズベキスタン 16 6 5 1 0 16 3 13
  イラク 11 6 3 2 1 17 7 10
  パレスチナ 7 6 2 1 3 11 11 0
  チャイニーズタイペイ 0 6 0 0 6 3 26 -23







勝点 試合数 引分 得点 失点 得失点差
  日本 18 6 6 0 0 16 1 15
  オマーン 10 6 3 1 2 14 3 11
  インド 4 6 1 1 4 2 18 -16
  シンガポール 3 6 1 0 5 3 13 -10







勝点 試合数 引分 得点 失点 得失点差
  クウェート 15 6 5 0 1 15 2 13
  中国 15 6 5 0 1 14 1 13
  香港 6 6 2 0 4 5 15 -10
  マレーシア 0 6 0 0 6 2 18 -16

※クウェートと中国は直接対戦の戦績で引き分け(1-1)、グループ内での得失点差も同一であったため、グループ内での総得点が多かったクウェートが1次予選通過となった。








勝点 試合数 引分 得点 失点 得失点差
  朝鮮民主主義人民共和国 11 6 3 2 1 11 5 6
  アラブ首長国連邦 10 6 3 1 2 6 6 0
  タイ 7 6 2 1 3 9 10 -1
  イエメン 5 6 1 2 3 6 11 -5







勝点 試合数 引分 得点 失点 得失点差
  バーレーン 14 6 4 2 0 15 4 11
  シリア 8 6 2 2 2 7 7 0
  タジキスタン 7 6 2 1 3 5 9 -4
  キルギス 4 6 1 1 4 5 12 -7







勝点 試合数 引分 得点 失点 得失点差
  韓国 14 6 4 2 0 9 2 7
  レバノン 11 6 3 2 1 11 5 6
  ベトナム 4 6 1 1 4 5 9 -4
  モルディブ 4 6 1 1 4 5 14 -9







勝点 試合数 引分 得点 失点 得失点差
  サウジアラビア 18 6 6 0 0 14 1 13
  トルクメニスタン 7 6 2 1 3 8 10 -2
  インドネシア 7 6 2 1 3 8 12 -4
  スリランカ 2 6 0 2 4 4 11 -7









2次予選の組み合わせ抽選は、2004年12月9日クアラルンプールで行われた。 1次予選に勝利した8チームが、4チームずつ2グループに分かれて、ホーム・アンド・アウェー方式の総当りリーグ戦を行う。各グループ上位2チームの合計4チームがワールドカップ出場権を獲得する。各グループ3位は、3次予選(AFCプレーオフ)へ進出する。

勝点 試合数 引分 得点 失点 得失点差
  サウジアラビア 14 6 4 2 0 10 1 9
  韓国 10 6 3 1 2 9 5 4
  ウズベキスタン 5 6 1 2 3 7 11 -4
  クウェート 4 6 1 1 4 4 13 -9













勝点 試合数 引分 得点 失点 得失点差
  日本 15 6 5 0 1 9 4 5
  イラン 13 6 4 1 1 7 3 4
  バーレーン 4 6 1 1 4 4 7 -3
  朝鮮民主主義人民共和国 3 6 1 0 5 5 11 -6













2次予選各グループ3位のウズベキスタンとバーレーンは、アジア地区5位決定戦となるホーム・アンド・アウェー方式の3次予選を行う。
勝利チームは大陸間プレーオフに進出する。





プレーオフの結果、アウェーゴールによりバーレーンがアジア地区5位となり、大陸間プレーオフに進出。

3次予選に勝利したバーレーンは、北中米カリブ海予選4位のトリニダード・トバゴとホーム・アンド・アウェー方式の大陸間プレーオフを行う。 勝利チームがワールドカップ本大会出場権を獲得する。




プレーオフの結果、北中米カリブ海予選4位のトリニダード・トバゴが勝者となり、本大会出場権を獲得。

  1. ^ 岡ちゃんに新ノルマ“W杯16強”
  2. ^ 2003年11月に行われたアジアカップ2004予選の北朝鮮戦においてイランが暴動を起こしていたため、罰則としてホームでの無観客試合を命じられた。
  3. ^ 北朝鮮のホームゲームであるが、前回のホームゲームであったイラン戦で試合後に暴動があったため、FIFAの裁定により第三国のタイ王国において無観客試合で行うことになった。日本、W杯出場 3大会連続 : 日本の戦績 : ワールドカップ2006”. 読売新聞 (2005年6月9日). 2010年6月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月1日閲覧。
  4. ^ この試合の主審を務めた日本人主審の吉田寿光がウズベキスタンにPKを与え、ウズベキスタン選手がPKを決めるが、ペナルティエリアにウズベキスタン代表選手が入っていたためノーゴールとなった。この場合本来ならPKのやり直しとなるが、吉田はバーレーンにフリーキックを与えてしまった。試合後にウズベキスタン代表は抗議を行い、FIFAもミスジャッジを認めてこの試合を無効試合とした。PKを除いても勝利していたウズベキスタン側はFIFAに再試合としないよう訴えるが、FIFAはウズベキスタン側の提訴を退け10月8日に再試合を行うこととなり、9月7日に予定されていた第2戦も10月12日に延期された。